本田宗一郎のことば

得手に帆を上げ

(1962.S37.1 社報)

 

 

 “惚れて通えば千里も一里”という諺がある。

 

 それくらい時間を超越し、自分の好きなものに打ち込めるようになったら、こんな楽しい人生はないんじゃないかな。

 

 そうなるには、一人ひとりが、自分の得手不得手を包み隠さず、ハッキリ表明する。石は石でいいんですよ、ダイヤはダイヤでいいんです。

 

 そして、監督者は部下の得意なものを早くつかんで、伸ばしてやる、適材適所へ配置してやる。

 

 そうなりゃ、石もダイヤもみんなほんとうの宝になるよ。

 企業という船にさ

 宝である人間を乗せてさ

 舵(かじ)を取るもの

 櫨(ろ)を漕ぐもの

 順風満帆

 大海原を

 和気あいあいと

 一つ目的に向かう

 こんな愉快な航海はないと思うよ。

 

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