藤澤武夫のことば

不況のはなし

(1966.S41.1 社報 藤澤武夫)


私達は、いつでもマイナスがあれば、プラスがあるはず。

不況で悪いときには、気がつかない問題点をえぐる時機でもあったと考えれば、この日本の不況も、そう悪くばかりも思えないというものだ。


過去に長い年月、不況であった時期もあったことを思い起こせば、今回の不況も、まだ始まったばかりとさえ、言えるのだが……。

しかし、前の不況のときと違うのは、

あの時分は、軍を中心として企業が成り立つのが多かった。

今は、大衆一般を中心としていることだ。

しかも世界の大衆を。

どうやら去年が不況の底であったというときが、今年中にくるような気がする。

この私の占いが当たったら、

これからは、諸君の恋愛の占いを担当とする。

それにしても有難いことだ。

不況を知らずに、こうしてみんなで新年を迎えるとは。

いつまでも、こうあるようにしたいものだ。