Honda本社ビル
Honda本社ビル
港区にあるHonda本社ビル1階のショールーム「Honda ウエルカムプラザ青山」では二輪、四輪、汎用製品の館内展示がされていて自由に乗ることが出来ます。
又、ASIMOのデモやイベントの案内、Hondaグッズの販売等も行っている、オープンなとても楽しいショールームなんです。
是非遊びに行ってみて下さいね。
実はHonda本社ビルには創業者 本田宗一郎さんのある込められた想いが有るのです。
建物概要
名称:ホンダ青山ビル
住所:東京都港区南青山2丁目1−1
階数:地上17階
高さ:72.12m
竣工年月:1985年08月(昭和60年08月)
1985年、東京港区青山に本田技研工業(株)の本社ビルを建てました。
デザイナーが提案された本社ビルは全面ガラス張りの大変素敵な世界のホンダにふさわしいデザインのビルだったそうです。
本社の担当者達も「このデザインならオヤジさん(本田宗一郎さん)も喜んでくれるだろう」と提案されたデザインを持って行きました。
本田宗一郎さんは、誰が見ても素敵なデザイン画を見て一言
「なんだこれは!」
と言われました。
喜んだ… のではなかったようです。
気に入らなかったのです。
そして担当者達に
「お前ら、こんな全面ガラス張りのビルを東京のど真ん中におっ立てて、もし将来東京に大地震が来てこのビルが揺れてガラスが落ち、下を歩く人に怪我でもさせたらどうするんだ!」
と担当者達を本気で怒鳴ったそうです。
僕は宗一郎さんのこの様な考え方がとても好きです!
もし大地震が起きたら周りのビルも揺れ、ガラスは散乱し大変な事になっていると思うのですが、人々のためにオートバイや自動車を造ってきた本田宗一郎さんは、どんな時でも人を最優先に考えているんですね。
担当者達に
「ガラス張りはダメだ!直せ」
と言われました。
デザイナーは大きくデザインを変えました。
全面ガラス張りはやめました。
でも、窓は有ります。
無くす訳にはいきませんよね!
どのようにしたのかって?
バルコニーを付けたんです。
青山本社ビルは地上17階です。
そして各フロアの窓には、幅約1.5mのバルコニーを付けました。
もし、大地震で窓ガラスが割れ、地上にでも落下したら…
そんな危険な事態が起きた時、割れ落ちたガラスの受け皿になり、地上の歩行者の安全を確
保するのが、このバルコニーなんですね。
ですからマンションみたいでかっこ悪いデザインになってしまいました。
コストも余計に掛かってしまいます。
見た目がマンションみたいだと言われようが、コストが余計に掛かろうが、どんな時でも「人」を最優先に考える本田宗一郎さんなんです。
まだ有るんです!
本社ビルは青山二丁目の交差点に建っているんです。
土地の価格がとても高い場所です。
普通なら土地を有効に使う為に土地いっぱいにビルを建てたいに決まっています。
本田宗一郎さんの考え方は違っていました。
「おまえな、こんな交差点に土地を目一杯使って、端から端まで建物を建てちゃったら、この前の道を走る車やオートバイの人達の見通しが悪くなるだろうが… 見通しが悪くなったせいで、この交差点で事故でも起こったらどうすんだ! うちの会社は、車やオートバイを造っているんだぞ! お客さんに迷惑を掛ける様な事だけはするな!」
って言ったんです。
Hondaは土地の道路側を出来るだけ空けてビルを奥に引っ込めて建てたんです。
凄い事だと思いますよね。
そして、この本社ビルの交差点側の角、丸いデザインですよね。
交差点を通る車やオートバイの見通しを少しでも良くしようとして考えたデザインなんです。
そして地下!
本社ビルの地下には緊急災害用として約1万人分の食料と水の蓄えと、防災用品が備えられているのです。
本社ビルの竣工は1985年、この頃こんな思想を持って建てられたビルが他にあるでしょうか。
Hondaブランドを所有する人には是非、知っておいてほしい話です。
本田宗一郎さんの想いが込められたこの本社ビル、僕はとてもカッコいいと思います。
NSXもかっこいいですね!
本田宗一郎の水
ビル1階のウエルカムプラザでは「本田宗一郎の水」を提供しています。
地下3階のカナダ産ヒバの大樽で貯水された水で、カフェのコーヒーも淹れています。
また、災害時の飲料水としての役割も担っているのですよ!
青山へお出かけの際は、何気ないデザインのなかに込められた本田宗一郎さんの思想を自分の目で確かめてみて下さい。
お水も飲んでね!!